全日本ロードレースRd5オートポリス:JSB1000クラスの野左根選手が連続2位表彰台!
9月13日(土)-14日(日)、オートポリス(大分県)にてMFJ全日本ロードレース選手権第5戦「スーパーバイクレース in 九州」が開催されました。
鈴鹿8耐や前戦のもてぎラウンドで続いた猛暑とは打って変わり、落ち着いた気温となりましたが、阿蘇の自然に囲まれたオートポリス特有の変わりやすい天候により、レースウィークは不安定な空模様となりました。
13日(土)は、曇りのなか時折雨が降る場面もありましたが、ドライコンディションで予選が実施されました。
JSB1000クラスの予選は30分間の走行で行われました。マシンにさらなるアップデートを施して臨んだ野左根選手は最初のアタックで1分48秒815を記録。終盤には1分48秒351までタイムを縮め、Race1では2番グリッド、Race2では3番グリッドからのスタートとなりました。
ST1000クラスの予選は20分間で行われましたが、アタック直後に雨が降り始めるという不安定な状況に。羽田選手は他車との接触を避けながらも2周目に1分51秒379を記録し2番グリッドを獲得。ナカリン選手は、チームメイトの羽田選手の後ろについてタイムを出し、1分52秒135でセカンドロウの6番手。荒川選手はセッション終盤に1分52秒595をマークし10番手となRました。
J-GP3クラスの予選にはタナチャット選手、ノップルットポン選手、テーシン選手、戸高選手の4名のライダーが参戦。20分間の予選で着実にタイムを記録し、4名が15位から18位と並んでポジションを獲得しました。
JSB1000クラスのRace1は15周で行われました。野左根選手が好スタートを決めホールショットを奪い、序盤はレースをリードしましたが、4周目に中須賀選手(YAMAHA Factory Racing Team)に抜かれると集団に飲み込まれ、一時は6番手まで後退することとなりました。その後2位争いの集団の中で周回を重ね、最終ラップに突入した時点では5番手を走行していました。すると突然の降雨となり、集団が慎重な走行に切り替える中、野左根選手は果敢に攻め続けてポジションを上げ、2番手に浮上。そのままチェッカーフラッグを受け、2位表彰台を獲得しました。
14日(日)は、濃霧による視界不良のためJ-GP3決勝レースがキャンセル、全体スケジュールも遅延となっていましたが、JSB1000クラスRace2の前に天候が回復したことで12周に短縮された周回数で決勝レースが決行されました。Race2では、スタート直後に中須賀選手の先行を許した野左根選手は2番手で1コーナーへ。オープニングラップのファイナルコーナーでトップに立つも、翌周に抜き返され、その後は差が徐々に広がる展開に。マシンに違和感を抱える状況となりながらも走行を続け、ポジションを守り切り2位でゴール。第5戦ではRace1、Race2ともに2位表彰台という結果となりました。
その後予定されていたST1000クラスの決勝は、ウォームアップ走行直前に激しい雨に見舞われ、その後再び濃霧が発生。これによりレースは中止となり、予選15位までのライダーに、決勝で得られるポイントの1/2が付与されました。
次戦は10月4日(土)-5日(日)に「MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第6戦 スーパーバイクレースin岡山」が岡山県の岡山国際サーキットで開催されます。引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。
■チームコメント
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- 伊藤 真一監督
JSB1000クラスだけ2レースできましたが、今回もAstemo様を始め多くの皆さまのご協力のおかげで、マシンをアップデートして挑みました。レース1は、うまく機能せず野左根に苦しいレースをさせてしまいましたが、最終ラップに雨が降ってきたところで前に出てくれたので2位表彰台を獲得。その反省を生かしたレース2は、ヤマハファクトリーとトップ争いを繰り広げ、一時は前を走りましたが、違う問題が出てしまいましたが、こちらも2位で終えられました。バージョンアップも進んできましたし、次戦岡山では、今回よかった部分を伸ばして勝負していきたいと思っています。J-GP3クラスとST1000クラスのレースが中止になってしまい本当に残念でした。羽田は、今回も調子がよかったので、いいレースをお見せできたはずだったので残念ですね。ナカリンもハードスケジュールの中、よい走りをしていたので決勝も楽しみだったのですが、今回は仕方ない部分もありました。J-GP3はウムとオースティンが最後の参戦だったので、不完全燃焼に終わってしまったのがとても悔しいですし、2人には少し申し訳ない気持ちもあります。ウムとオースティンは再来週に日本GP併催で行われるATCがありますし、活躍に期待しています。次戦以降は、ブライトと戸高の2人で参戦が続いていきますので、しっかり結果を出せるよう引き続きバックアップしていきます。仕切り直して、次戦、岡山もチーム一丸となって挑みます。引き続き応援よろしくお願いいたします。
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- 野左根 航汰選手
レース1は思うようにペースを上げられず、最終ラップの雨で奇跡的に2位でゴールできラッキーな結果でした。レース2はその反省を活かして臨みましたが、天候の影響でウォームアップ走行がなく、さらに5分のフリー走行もハーフウエットで判断が難しい状況でした。レースが始まってみると昨日よりもしっかりペースを上げられるバイクに仕上がっていて“これなら中須賀選手と戦える”と思える手応えもありました。ところが序盤から問題が出てしまい危うく転びそうになるほどでした。周回ごとに状況は悪化していたのですが、12周という短いレースだったことで、序盤に作ったリードを活かしてなんとか2位を守り切れました。ただ、トラブルがなければもっといい戦いができたはずだと思うと、正直悔しさも残ります。一方で、エンジンのスピードをはじめ、バイクのよい部分やアップデートの成果も確認できたので、そこは大きな収穫でした。次の岡山は去年もいい感触で走れたサーキットですし、事前テストもあります。オートポリスからのいい流れをしっかり持ち込んで、次こそ移籍後初優勝を狙いたいと思います。
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- 羽田 太河選手
今回もマシンセットは基本変更せずに、乗り込んでタイムを上げていきました。公式予選も他のライダーに引っかからなければ、もっとタイムが出ていたのでポールポジションを獲れたかもしれません。ドライでもウエットでも調子がよかったので、レースをやりたかったですね。次戦、岡山も事前テストがあるので、チームのみんなと相談しながら、勝てるように取り組んでいきます。今回もチームを始め、関係者の皆さま、多くのサポートをありがとうございました。
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- 荒川 晃大選手
事前テストからマシンセットの流れは悪くなくて、今までよりいい形で終われていたのですが、レースウイークに入ってから一発のタイムが出せず、組み立て方があまりよくなかったのは反省点です。ただ、ベストタイムと変わらないタイムで走れていたので、レースで巻き返せればと思っていたので中止は残念でした。次回の岡山では、事前テストもありますし“一発のタイム”を意識して取り組んでいきたいと思います。しっかり流れを整えて、次につなげていきたいです。
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- ナカリン・アティラットブワパット選手
オートポリスを走るのは2013年以来、実に12年ぶりでした。コースを思い出すのにとても苦労し、レイアウトを覚えるのが精一杯でした。速いライダーについて走ればタイムは上がりますが、本当の意味でコースを攻略できないと思い、あえて単独走行を重ねました。レースウイークでも同じように単独で走る時間を大切にしましたが、時には前のライダーに食らいつくことで6番手以内に入る走りもでき、自分としては収穫の多い週末でした。天候は、雨の可能性があると言われていました。ドライではコースを走り慣れているライダーに敵わない部分もありますが、僕は雨を得意としているので、ウエットやハーフウエットなら十分にチャンスがあると思っていました。だからこそ、レースが中止になってしまったのはとても残念です。残り2戦あるので、今回得た経験を活かして、最後まで全力で戦っていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いいたします。
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- タナチャット・プラトゥムトーン選手
ウエットコンディションは得意な方ではなかったのですが、今回のテストからレースウイークにかけては驚くほどフィーリングがよく、タイムも上位につけることができました。この感覚は自分でも不思議でしたが、だからこそ自分を信じようと思えました。ウエットであれば表彰台も狙えると感じていました。一方で、セクター3では少し苦戦しており、そこを攻め切れればドライでもさらにタイムを詰められると思っていました。予選では、速いライダーについていこうと思っていましたが、うまくいかず悔しさが残りました。昨年よりは確実に成長していますが、まだまだ課題が多いと感じています。残念ながら決勝はなくなってしまい、とても悲しいです。ATC茂木で再び走りますので、違うカテゴリーになりますが、ぜひ引き続き応援していただけるとうれしいです。また、このチームで過ごした時間は本当に楽しく、別れがとても寂しいです。お世話になった伊藤監督、渡辺コーチ、そしてメカニックを始めサポートしてくださった皆さんに心から感謝しています。これからも精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
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- ノップルットポン・ブンブラウェット選手
オートポリスではとてもよい経験ができました。チャレンジングなコースで決して容易ではなかったですが、走る楽しさを強く感じることができました。タイムも走るごとに縮めることができましたが、前戦もてぎでのケガの影響がまだ残っており、無理をせずリスクを抑えながら走ったため、一気に上げることはできませんでした。セッティングについては、もっとハードに振るべきだと思っていましたが、ソフト寄りにしたことでフィーリングが良くなり、大きな発見がありました。ウォームアップ走行では新しいセットにもトライもしたかったのですが、それは叶わず。自分自身、まだライディングスタイルを改善する必要があり、特にうまく走れないときの対応をもっと研究していきたいと感じています。今回レースができなかったのは残念ですが、日本に来てこのチームで経験を積めたことに心から感謝しています。伊藤監督、渡辺コーチを始め、支えてくださった皆さんに感謝いたします。次は2週間後、ATCもてぎに挑戦します。カテゴリーは変わりますが、全日本での経験を活かし、よい結果を残せるよう頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします。
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- テーシン・インアパイ選手
オートポリスは非常にテクニカルで難しいと聞いていたので少し不安もありましたが、実際に走れてとてもうれしかったです。走る度にフィーリングをつかめて、自分なりのリズムやアクセルワークもうまくできたと思います。トップと差はありましたが、これまで走ったサーキットと比べても楽しんで走ることができました。予選は風が強く大変でしたが、前を走るライダーについていくことでタイムを上げられ、自分の弱点と強みを改めて把握できたのは大きな収穫です。レースがキャンセルになってしまったのは本当に残念でした。特に今回は、オースティンとウムと一緒に走れる最後の機会だっただけに悔しさもあります。次戦からは倫太郎と2人体制になりますが、いいチームメイトに恵まれてここまで成長できましたし、日本でのレースにも徐々に慣れてきました。海外で1人で戦う経験も活きているので、これからも楽しみながら挑戦を続けていきたいです。引き続き応援をよろしくお願いします。
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- 戸高 倫太郎選手
テストでは雨で思うようにプッシュできず、ドライでは6~8番手を走れたものの、想定したタイムには届かず課題を感じました。レースウイークでは自己ベストを更新しましたが目標には届かず、予選も強風の中で苦戦。さらに試したかったセッティングもウォームアップが走れず実行できず残念でした。ただ条件は皆同じなので次につなげたいです。今回、仲の良いオースティンやウムと走れる最後のレースだっただけに寂しいですが、2週間後のATCもてぎにワイルドカード参戦が決まったので、再び一緒に走れるのを楽しみにしています。オートポリスは地元ですし、多くの方に応援に来ていただいたのに走りを見せられなかったのは心残りですが、今後はしっかり結果を残し、もっと応援していただけるライダーになれるよう努力します。