全日本ロードレースRd6 岡山:JSB1000クラス野左根選手が2位表彰台、ST1000クラス羽田選手が今季3勝目!
10月4日(土)~5日(日)、岡山県の岡山国際サーキットにてMFJ全日本ロードレース選手権第6戦「スーパーバイクレース in 岡山」が開催されました。
今大会は金曜、土曜日が雨天となり、ウエットコンディションでの走行が続きましたが、日曜日は晴れ、決勝レースはドライコンディションで実施されました。
4日(土) 予選は雨の中で実施されました。JSB1000クラスは日曜日の1レースのみの開催となり、公式予選はシーズン唯一のノックアウト方式で行われました。野左根 航汰選手は前日の転倒の影響もあり、マシンの状態確認からスタート。予選Q1ではギリギリ10番手で通過し、Q2では1分45秒468のタイムで6番グリッドとなりました。
ST1000クラスの羽田 太河選手は、事前テストでウエット路面を経験しており、ドライ・ウエット両方に対応できる体制で臨みました。荒川 晃大選手は、初めてのウエット走行ながら好調でした。予選では、セッション終盤にアタックした羽田選手が2番手、荒川選手が5番手を獲得。ウェットコンディションが得意なナカリン選手は、前日の走行では2番手でしたが、予選では7番手となりました。
怪我からの復帰戦となったST600クラスの鈴木 大空翔選手は、事前テストから徐々にタイムを向上させましたが、予選ではグリップ不足に苦しみ18番手となりました。
J-GP3クラスにはテーシン選手、戸高綸太郎選手が参戦。テーシン選手は順調にタイムアップし7番手タイムをマーク。戸高選手は、タイムアタック中に転倒してしまい13番手と不完全燃焼な予選となりました。
5日(日)、朝は雨が残っており、ウォームアップ走行は不安定なコンディションで実施されました。その状況の中、ST1000クラスの荒川選手がトップタイムを記録。羽田選手も4番手につけ、決勝に向けて期待が高まりました。午後の決勝には青空が広がり、気温も上昇しました。
ST1000クラス決勝レースでは、羽田選手が好スタートを切ってトップに立ち、独走態勢でレースをリードしました。レース終盤にはリアブレーキに問題が発生するも、残り2周のところで後続が転倒し、羽田選手はそのままトップでチェッカー。今期3勝目を挙げ、シリーズチャンピオンに一歩近づきました。荒川選手はオープニングラップのヘアピンで他選手と接触・転倒。悔しいリタイアとなりました。ナカリン選手は、序盤から激しい5位争いを展開するも、レース終盤には差を広げられました。しかし、終盤に前を走るライダーが転倒、5位フィニッシュとなりました。
JSB1000クラスは、通常より長い24周の決勝レース。野左根選手は、得意のスタートダッシュを決めきれずにオープニングラップは4番手。4周目には水野選手(Ducati team Kagayama)を抜き、3位となり、長島選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)の背後に迫ります。トップを走る中須賀選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が徐々に後続を引き離す中、野左根選手は長島選手をなかなか抜くことができず、何度もポジションを入れ替えながらの2位争いを展開。終盤、野左根選手が前に出た後、長島選手を巧みに抑え込み、2位表彰台を獲得しました。
ST600クラスに出場した鈴木選手は、レース序盤こそ思うようにペースを上げられませんでしたが、徐々にタイムを改善しながら順位を上げ、最終的には12位、4ポイントを獲得しました。
2周減の17周で行われたJ-PG3クラス決勝では、テーシン選手と戸高選手がサードグループ内でポジションを入れ替えながら周回。前の集団に追いつきたい展開でしたが、タイムが伸びず、思うような追撃はできず、戸高選手が11位、テーシン選手が12位でチェッカーを受けました。
■チームコメント
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- 伊藤 真一監督
決勝朝のトラブルで少しバタつきましたが、チームが懸命に修復してくれたおかげで決勝には間に合いました。雨の影響で転倒もあり、万全な状態とは言えませんでしたが、野左根選手が粘り強く走り切って2位をもぎ取ってくれたのは本当によく頑張ってくれたと思います。羽田選手は、トラブルを抱えながらもライダー的に余裕があったので勝ってくれました。しっかり対策をして最終戦に臨みたいと思います。荒川選手も調子がよく、決勝朝のウォームアップ走行でトップタイムをマークするなど期待していましたが、少し行き過ぎた部分もあって接触転倒は残念でした。まだ発展途上のライダーですし、あの勢いは今後の成長につながると思います。ST600の鈴木選手は、ケガからの復帰戦で頑張ったと思いますが、私たちのめざすところは、まだまだ先にあります。今回から武石氏がサポートとして入り、ハード面・メンタル面ともに支えてくれているので、さらなる成長に期待したいです。次戦は、最終戦鈴鹿になります。チーム一丸となって、よりよい結果をめざしたいと思います。今回もAstemo様をはじめ、多くの皆さまのご協力・応援が力になりました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
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- 野左根 航汰選手
岡山は得意意識のあるコースで、去年もタイム・内容ともによかったので、優勝をめざして自信を持ってウイークに入りました。ただ、事前テストから中須賀選手が速く、それをターゲットに頑張っていましたが、なかなか追いつけませんでした。金曜・土曜と雨のコンディションで、金曜日には大きな転倒をしてしまい、メインマシンを壊してしまう場面もありましたが、チームが懸命に修復してくれました。決勝朝のトラブルにも素早く対応してもらい、結果的に優勝は逃しましたが、しっかり走り切って2位を獲得できたのは良かったと思います。それでも、優勝までにはまだ1歩も2歩も足りないと痛感しました。最終戦鈴鹿で優勝をめざし、チームとともに笑顔でシーズンを締めくくれるように全力で挑みます。
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- 羽田 太河選手
レース中は状況を確認しながら走っていました。中盤で追いつかれた後、バックマーカーに少し引っかかる場面もあって、そこで差が詰まって一騎打ちになるなと思っていました。残り5周くらいのところでリアブレーキに少しトラブルが出てしまい、思うようにペースを上げられなかったのですが「このペースを維持できれば勝てる」と信じて走り続けました。ラスト2周で後ろのライダーが転倒して差が開いたので、そこからは少し余裕を持って走れました。ウイーク全体を通しても焦ることなく、落ち着いてレースを進められたと思います。最終戦も勝つことだけを考えて挑みます! 引き続き応援よろしくお願いいたします。
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- 荒川 晃大選手
レースウイークを通して雨のコンディションが続き、決勝だけがドライになりました。出ていってすぐのフィーリングはよかったのですが、転倒という形で終わってしまい、レースとしては何もできずに終わってしまいました。応援してくださった皆さまに結果で応えられず悔しいレースになってしまいました。それでも確実によくなってきている実感はありますので、次はしっかり結果を出して、笑顔で終われるようにしたいと思います。
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- ナカリン・アティラットブワパット選手
岡山国際サーキットを走るのは今回が初めてでした。前週のテストでは1日がドライ、もう1日がウエットという難しいコンディションでした。レースウイークも金、土ともウエットコンディションとなり、コースを覚えること、走り方を考えることに集中しました。フィーリングは悪くなかったのですが、セッティングを詰め切るところまでは届きませんでした。決勝はドライコンディションでのレースとなりました。ドライでの走行時間が限られていたため、序盤は走りながら学び、走り方を探り続けました。ラスト5周でようやく自信を持って走れるようになり、ペースを上げることができました。結果として5位でフィニッシュできたことをうれしく思います。チームメイトの羽田選手が優勝したことも本当にうれしいです。彼は僕が日本でレースをする際、いつもアドバイスをくれる大切な存在です。タイガ、本当におめでとう!
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- 鈴木 大空翔選手
ぶっつけのドライレースでしたが、思い切ってマシンセットを大きく変えて臨みました。結果的にその方向性がよくて、手応えのある走りができました。レース序盤はフィーリングがつかめず、ペースを上げきれなかったのですが、後半にかけてだんだんつかめてきて、自分のリズムで攻められるようになりました。レースはまだ今季2回目ですが、テストを含めても今年の中で一番いい走りができたと思います。自分でもだいぶ気持ちよく走れるようになってきたので、次の鈴鹿ではさらにいい走りでシーズンを締めくくりたいです。
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- テーシン・インアパイ選手
岡山を走るのは今回が初めてでした。先週のテストからコースを覚え、他のライダーの走りを研究しながら少しずつ慣れていきました。レースウイークは雨のコンディションが続き、路面状況が目まぐるしく変わる中での走行は本当に難しかったです。雨は得意ではないのですが、今回は自然体でバイクに乗ることができ、自信を持って走れたのはよかったです。予選ではうまくまとめることができ7番手グリッドを獲得しました。決勝はドライとなり、スリックタイヤでのレースに。ドライでの走行経験が少なく不安もありましたが、全力で挑みました。スタートでミスして10番手まで順位を落としたのが悔やまれます。次の鈴鹿は4耐で走った経験もあるので、プレッシャーなく挑めるはずです。最終戦を楽しみながら、いい結果で締めくくりたいと思います。
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- 戸高 倫太郎選手
金曜日からウエットでも気持ちよく走ることができ、決勝に向けていい流れを作ることができました。ペースも悪くなく、手応えを感じていました。土曜日の予選では走り始めから感触がよく、さらにペースを上げてタイムを縮めようと思った矢先にクラッシュしてしまい、悔しい結果となりました。決勝ではスタートをうまく決めることができましたが、路面コンディションが難しく、思うように順位を上げられず苦しい展開になってしまいました。もう少し上の順位でフィニッシュできると思っていただけに、悔いの残るレースでした。次戦の最終戦・鈴鹿は、僕にとってホームコースのような場所です。経験を活かして挑みたいと思います。目標はトップ10、できれば第2グループ、そして第1グループで戦うこと。最終戦鈴鹿も全力で頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。